アメリカン・タブロイド 上 (文春文庫 エ 4-7)

  • 文藝春秋 (2001年10月10日発売)
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感想 : 11
5

原題:AMERICAN TABLOID

ジェイムズ・エルロイによるアンダーワールドUSA三部作の第1作目。JFKが暗殺されるまでのFBI、CIA、マフィア等の暗躍を綴った小説。

小説の導入部で作者本人が「アメリカが清らかだったことはかつて一度もない。」と語っているが、この暗黒小説をまさしく象徴するフレーズで、読み始めから得たいの知れない恐さが待ち受けている事を暗示していた。

さて、JFK暗殺は様々な陰謀説が展開されてきたが、今だに謎は解かれていない。
本ブログでもレビューした「<a href="http://mei-ekahi.jugem.jp/admin/?mode=entry&eid=40" target="_blank">陰謀の世界史</a>」の中で7つの陰謀説が紹介されているが、謎を解く鍵にはなりそうだが真相は藪の中である。

話がそれちゃったけど、本作品には実在の人物が登場し、フィクションとノン・フィクションの境目がグレイで真実の話ではないかと思わされる部分がある。
実在の人物としてJFK、その弟ロバート、FBI長官フーヴァー、マフィアの大物サム・ジアンカーナ、そしてハワード・ヒューズ等が登場し、ジェイムズ・エルロイの筆により活きた言葉が発せられ、この物語に真実味を与えているように思う。

それにしても、この小説息付く暇がない。アンダー・ワールドな世界でケネディ家、マフィア、FBI、CIAが複雑に絡み合い、それぞれの思惑により時には味方になり、はたまた敵になるというストーリー展開で進み飽きさせない。

第2作目「アメリカン・デス・トリップ」が既に刊行されているので、早速読んでみたい。

最後になるけど、小説の中でマリリン・モンローが登場し男性遍歴が紹介されているけど、何故かファイティング・原田の名前が出てくる。
これはご愛嬌か?それとも、ホント?

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2006年5月17日
本棚登録日 : 2006年5月17日

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