歌人・永田和宏が、同じく著名な歌人で配偶者の河野裕子の生と死を見つめる一冊。乳がん発症と闘病、その間の苦悩、再発後、晩年に至るまで、まさに、生と死を見つめ、悲嘆から再生への道行きが綴られた一冊。最後の一首、「手をのべて」のくだりは心が揺さぶられます。
悲嘆が恐怖に近しいということがほんとうだと感じられるかもしれない。
寂しい人間にとっては、身を分けたと思える、孤独を癒し続けた伴侶と引き剥がされることが、そして1人残されることが、死ぬほど寂しいのだと思う。それを思うと、恐怖以外の何ものでもない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
思想・哲学
- 感想投稿日 : 2024年3月3日
- 読了日 : 2024年3月3日
- 本棚登録日 : 2024年3月3日
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