櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年2月23日発売)
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本棚登録 : 2369
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太田紫織による骨に魅了されたお嬢様とその知り合いの高校生が繰り広げるライトミステリ第一弾。
なぜか骨が大好きなお嬢様・櫻子の性格はとてもお嬢様とは言い難いが、骨好きに伴う知識の幅広さは、叔父が監察医という設定とも相まってマニアックなまでにすごい。さらに、動物でも人間でも、骨に関わりそうなら腐敗臭もなんのそので、ある意味お近づきになりたくない人物だ。
そんなお嬢様となぜか親しく、何かあればご飯まで食べさせてもらう奇特な高校生・正太郎も頼まれたことは断れない、流されやすく巻き込まれやすい人物だ。
ぱっと見はよくあるような設定ではあるが、骨にまつわる物語の軸としてこの設定がうまく効いていて、物語ひとつひとつも程よい長さでまとめられているため、さらりと読める。
体裁はライトノベル然としており、実際そうなのかもしれないが、法医学や骨にまつわるウンチクについては非常に高度かつ端的にまとめられていて読み飛ばすこともなくヘェ〜と思う場面も少なくない。
本書一冊でまとまるなんてことははなから考慮されていない感じで、当然のように続巻が刊行されている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年9月22日
読了日 : 2016年4月25日
本棚登録日 : 2016年9月22日

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