昔仕えた上司が、定年時に読んでいた。いつか読んでみたいなと思ったのは、まだまだ先の退職に対し、何か学んでおきたいと思ったからかも知れない。仕事人間ならば、たまの連休で時間を持て余す時、あまりにも無感動な自分に気付く時があるだろう。夢中になれるものには、ある程度の纏まった時間や継続性が必要なのに、働いていると、細切れでしか時間が取れないから。大人になるとRPGゲームにのめり込めなくなる理由に似ている。それだけ、仕事中心で生きた人間が退職をして、どんな生活が待ち受けるのか…。
この本にあるのは決してハッピーエンドではない。仕事に自らを賭けた主人公の持て余すプライドや苦悩。あるのは、リアリティだ。妻との関係。来るべきシミュレーション。読んでおいて良かった一冊。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年10月12日
- 読了日 : 2019年10月12日
- 本棚登録日 : 2019年10月12日
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