ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか? (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋 (2022年12月16日発売)
3.87
  • (21)
  • (37)
  • (22)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 402
感想 : 37
3

何気なく食べている食品に危険が迫る。

人工肉バーガー、培養母乳、ゲノム編集魚、デジタル農業。人工肉は動物も殺さず環境にも優しいと思っていたが添加物たっぷりで人体には良くないという説明に驚愕。三方よし!の成立は難しい。コストの問題もある。

裁判沙汰になったグリホサート系除草剤やミツバチの大量死との関係が指摘されるネオニコチノイド系農薬を減らす代わりに、今後、RNA農薬やゲノム編集、デジタル農業が浮上してくる。

ゲノム編集により光合成の効率を高め、取り込む炭素量を30%増量する新種の植物を作るプロジェクト。おいおい、これは大丈夫かと心配になる。

日本政府は2050年までに有機農業の面積を今の50倍に増やす「みどりの食料システム戦略」。これは、政府が農薬と化学肥料を禁止したため収量が激減し経済破綻に繋がったスリランカを思い出す。読めば読むほど不安が高まる。

食のトリアージ。富裕層のみ健全な食事にありつける未来は避けて欲しい。正しい知識と法整備を。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月3日
読了日 : 2024年4月3日
本棚登録日 : 2024年4月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする