国家債務危機――ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?

  • 作品社 (2011年1月8日発売)
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2010年にギリシャ国債が暴落。本著の第1刷出版が2011年。必然、注目を浴びるのだが、そもそも我々は国債について、どれほど理解出来ているのだろうか。それが、国家主権や戦争とも密接に関わっている割に、正確に理解出来ていないのではないか。改めて勉強すべきだと手に取った。

きちんと理解したい疑問。例えば、よく言われる日本の国債は、国民の貯金でカバーてきる範囲だから、まだ安全だという意見。あるいは、なぜ先進国がこぞって借金大国になっているのに、世界経済が成立しているのか。はたまた、債務不履行のような所謂、帳消しは許されるのか。これらに回答のヒントを与えてくれる。突き詰めれば、予測不可能という結論にはなるのだが、本著は、国家の債務の歴史やデフォルトの事例から、教科書的な税金と利息と国債の関係まで、説明してくれる。ちなみに、ソブリンとは主権者の意味で、訳者もこだわる部分である。

そもそもジャック・アタリは世界的な経済学者である。基本的な教養としても読んだ方が良い。

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感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2019年1月6日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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