楡家の人びと 第一部 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2011年7月5日発売)
3.96
  • (32)
  • (35)
  • (18)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 655
感想 : 38
4

楡家とその周囲の慣わしは時代と共に変わりゆくが、伝統にこだわり、あるいは恨み、憂うことも各人によって情態を異にする。互いに共有できない繋がりの薄弱さは、すでに共同体の崩壊を示唆するものであり、あくまでも維持するのは張りぼて化した “しきたり” への意地である。その執念が民族の怖さへと通じる。そこにユーモアを加味するところが本作の魅力である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月24日
読了日 : 2023年4月24日
本棚登録日 : 2023年4月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする