民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論

著者 :
  • 小学館 (2010年7月14日発売)
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大前節全開!てな感じですが、読むと元気になれます。
けちけち節約するばかりじゃなくって、人生楽しむために消費もしなきゃいかんなという気になってきます。

ビジネス論からキャリア論、政策論まで、内容は幅広いですが、今更ながらこの人はいろんなことをよく知ってますね。
「中国よりインドネシア」とか、「ロシアお客様論」とか、とても新鮮に感じました。

日本人は”いざ鬱病”で縮こまっているという指摘は言い得て妙。
「最小不幸社会」という発想の貧乏臭さを喝破した件りは痛快であります。
やはり目指すべきは「最大多数の最大幸福」。

世論調査なんかでも、政府に「景気対策」を望む声は多いけど、政府が何とかするべきだと思ってる時点で根本的に間違ってる。
将来に備えてコツコツ貯蓄しても、結局国債を通じて国にお金が吸い上げられ、非効率に遣われるだけ。
思考停止に陥らず、人生をいかに楽しむかをしっかり考え、遣うべきところはちゃんと遣う。
そして楽しく暮らす。

金融資産を貯めることが美徳ではない、ということに気付いた人から少しずつ貯蓄を取り崩そう、でも、皆が一遍にやると国債が暴落するので徐々にやるよう気をつけよう、ってところが、夢を語りまくった全体の中で妙に現実的で、微笑ましい。

ここに書いてあることを実現するのはなかなか難しいとは思うけど、この本を読んで前向きな気分になる人がひとりでも多く出てくれば、それだけで日本経済は上向くんじゃないか。
そう思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2010年9月2日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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