愛に乱暴

著者 :
  • 新潮社 (2013年5月22日発売)
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本棚登録 : 1324
感想 : 249
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吉田修一も、こんな昼ドラみたいな小説書いてたのね。
単なるメロドラマで終わらず、一捻りされているところが「らしい」けれど。

主人公の桃子は、ちょっとセレブなごく普通の主婦に思える。
ほぼ桃子の一人称で小説は進んでいくが、その言動や感覚に直接的な違和感を覚えない。
が、どこかに狂気が潜んでいるようにも感じるのだ。
例えば、かつて勤めた会社の上司の言葉を真正直に頼って、再雇用を依頼しに訪ねてしまうあたりに、そのちょっとした「ズレ」が垣間見える。
日記のギミックにはわりと早い段階で気づいたが、このあたりの人物造形の微妙な巧みさが流石だと思う。

日常に隣接する危うい転落の可能性に触れてモヤモヤできる、という意味ではやはり昼ドラ的なんだよなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2015年3月30日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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