ピアノ初見のうまくなる本

著者 :
  • ハンナ (2012年3月15日発売)
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本棚登録 : 28
感想 : 2
3

初見の訓練ってすごく大切なのに、なぜか音楽教育において重要視されない気がする。
新曲視唱と同様に、レッスンや音楽学校の授業に組み込むべき。

あとがきで著者が書いているように、初見は基礎でしかなく、深い楽曲分析と演奏研究の方がメインであることはそうなのだが、両方できるのがベストだ。

今まで多くの人に初見のアドバイスを求めてきたけど、役立つものは一つもなかった。

「初見が苦手なら暗譜が得意になる」
「初見ができるより、1曲をじっくり取り組める方がすごい」
と励まされたり(そんなこと聞いてないのだが)、

「初見は練習しなくていい」
「怖い先生が横にいると思って止まらずに弾く」
「遊びでいろんな曲を弾いてみよう」


と難しめの課題を紹介されたり。

初見が得意な人は、
「なんで得意か自分でわからないのよね。なんか手がその形になっちゃうの」
と。
そして、初見ができない人を心から不思議がる。
どんなに説明してもわからないらしい。

そして大人になって初見を勉強しても伸びることは伸びるが、子供の頃に身につけた人とは比べ物にならない。
それは絶対音感のようなものである。


どの人のアドバイスも合わない時は、驚くほど呆れるほど簡単なレベルから、うまず、懲りず、諦めず、やるしかない。
何百、何千と初見練習するしかない。
そのことに、もっと早く気づけばよかった。
つまり、いわゆる(この本にも載ってるような)初見練習に向くとされる曲より、もっとはるかに簡単な譜面から、大量にこなせばよかったのだ。
バイエル上巻ぐらいから。

この本に載っている曲は良い練習になったが、曲想まで守って弾くのはまだ無理だな。
今から死ぬまで毎日初見したら、定年の頃には人並みになっているかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 音楽
感想投稿日 : 2020年2月27日
読了日 : 2020年2月27日
本棚登録日 : 2013年10月26日

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