ウィルスというと病原体という印象が強いが、ウィルス自身は環境に適応して存在・存続し続けようとしているだけであり、生物との共生関係にあったり、生物の進化に影響を及ぼしたと考えられるウィルスは、生物史や生物の存在にとって重要な役割を担っている、というのが著者の主張の骨子だと思う。
そういう主張も新鮮ではあるが、ウィルスの構造や増殖の仕組みについての解説が面白かった。つまり、一般向けの本として、ウィルス自体についての基礎知識を与えてくれるという意味で、読んでよかった。特に、ウィルスが細胞に侵入する仕組みや、ウィルスに限らず遺伝子を発現させてタンパク室を作る仕組みは、コンパクトかつ詳しくまとまっていたと思う。
もう少し生物や生化学について知りたくなった。
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- 感想投稿日 : 2013年6月17日
- 読了日 : 2013年6月17日
- 本棚登録日 : 2013年5月10日
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