1927年うまれの森崎さんと、孫のような歳になる1975年うまれの中島さんとの対話集。2010年の8月、昨夏の暑い暑いころに福岡の宗像で対話の場はもたれた。
いろんな話がされているなかで、人称の話が印象に残る。妊娠5ヶ月目のときに、「私」と言おうとして引っかかった森崎さん。「私の体内に別の命が宿っている状態の人称を、日本語は持っていない。その人称とは何か」と。
妊娠という生理に密着している女性性というものが、日本の言語を使ってしまうと放棄されてしまう、排除されてしまう、と中島さんが語っている。私は他の言語をあまり知らないけど、「私の体内に別の命が宿っている状態の人称」を持っている言語って、どんなんがあるんかなと思った。(こんな本『世界言語の人称代名詞とその系譜』に、なにかあるかな…)
とちゅうで出てきて、読んでみたいと思った本。
『アジアが生み出す世界像─竹内好の残したもの』(編集グループSURE)
『タブー―パキスタンの買春街で生きる女性たち』
あとがきに、『くらしと教育をつなぐWe』と出てきた。森崎さんが感動したという「セクマイ流 国に意見する方法」は、『We』154号に掲載。
読書状況:読み終わった
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図書館で借りた
- 感想投稿日 : 2011年5月8日
- 読了日 : 2011年5月1日
- 本棚登録日 : 2011年5月1日
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