なにかで知って、図書館で借りてきてみた本。もう1冊、同じ考える絵本シリーズの『ことばメガネ』も借りてみたけど、私にはこっちの『子ども・大人』のほうがおもしろかった。
野上暁、ひこ・田中が書いた文に、ヨシタケシンスケが絵を描いている。ひこ・田中とヨシタケシンスケの組み合わせは、『レッツとねこさん』や、『レッツのふみだい』を読んだことがある。
ヨシタケシンスケのへんな絵がオモロイのである。野上暁とひこ・田中の書いた文を、さらにふくらませるというか、ツッコミ入れてるというか。
巻末に、「絵本をつくりながら考えたこと」という野上暁とひこ・田中の短い対談のようなものが収録されている。
たとえば野上が「何度もひこさんとやり取りして、大体の骨格ができたところで、ヨシタケさんに加わってもらった。すると、一挙に方向性が見えてきた。ヨシタケさんの描く、子どもや大人の仕草と表情に刺激され、文章もかなり変わった。文と絵を読む楽しさ、文章と絵の微妙なズレから、考えるきっかけも生まれてくる。」と言い、それに応じてひこが「…ヨシタケさんの描く子どもが、大人である野上さんや私の発想を、からかったり皮肉ったりして動きが出てきた」と語る。
とくに、ひこ田中の語る、ここのところがオモロイなーと思った。
▼相手の考えを受け止めるところから、自分の中に新しい想像が生まれていくのが実感できた。「考える」って、一人ですることみたいだけど、他の人と意見を交換しあいながら深めていくものなんだよね。読書は普通一人でするけど、この絵本に関してはぜひ、友だち、親子、先生と生徒で、読後に意見交換してほしい。(巻末、「絵本をつくりながら考えたこと」)
子どもは、大人になれる!
大人は、子どもにもどれない。
ずっと、子どものままではいられないけど、
子どもをやめて、大人になるわけじゃないんだよ。
…本文にあった、こんなところが印象に残る。そして、やたらおかしい。にやにや笑いながら読んだ。
(10/25了)
- 感想投稿日 : 2014年11月1日
- 読了日 : 2014年10月25日
- 本棚登録日 : 2014年10月25日
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