子ども・大人 (考える絵本 6)

  • 大月書店 (2009年10月1日発売)
4.29
  • (12)
  • (7)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 117
感想 : 12

なにかで知って、図書館で借りてきてみた本。もう1冊、同じ考える絵本シリーズの『ことばメガネ』も借りてみたけど、私にはこっちの『子ども・大人』のほうがおもしろかった。

野上暁、ひこ・田中が書いた文に、ヨシタケシンスケが絵を描いている。ひこ・田中とヨシタケシンスケの組み合わせは、『レッツとねこさん』や、『レッツのふみだい』を読んだことがある。

ヨシタケシンスケのへんな絵がオモロイのである。野上暁とひこ・田中の書いた文を、さらにふくらませるというか、ツッコミ入れてるというか。

巻末に、「絵本をつくりながら考えたこと」という野上暁とひこ・田中の短い対談のようなものが収録されている。

たとえば野上が「何度もひこさんとやり取りして、大体の骨格ができたところで、ヨシタケさんに加わってもらった。すると、一挙に方向性が見えてきた。ヨシタケさんの描く、子どもや大人の仕草と表情に刺激され、文章もかなり変わった。文と絵を読む楽しさ、文章と絵の微妙なズレから、考えるきっかけも生まれてくる。」と言い、それに応じてひこが「…ヨシタケさんの描く子どもが、大人である野上さんや私の発想を、からかったり皮肉ったりして動きが出てきた」と語る。

とくに、ひこ田中の語る、ここのところがオモロイなーと思った。
▼相手の考えを受け止めるところから、自分の中に新しい想像が生まれていくのが実感できた。「考える」って、一人ですることみたいだけど、他の人と意見を交換しあいながら深めていくものなんだよね。読書は普通一人でするけど、この絵本に関してはぜひ、友だち、親子、先生と生徒で、読後に意見交換してほしい。(巻末、「絵本をつくりながら考えたこと」)

子どもは、大人になれる!
大人は、子どもにもどれない。

ずっと、子どものままではいられないけど、
子どもをやめて、大人になるわけじゃないんだよ。

…本文にあった、こんなところが印象に残る。そして、やたらおかしい。にやにや笑いながら読んだ。

(10/25了)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館で借りた
感想投稿日 : 2014年11月1日
読了日 : 2014年10月25日
本棚登録日 : 2014年10月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする