ドグラ・マグラ(下) (角川文庫 緑 366-4)

著者 :
  • KADOKAWA (1976年10月13日発売)
3.70
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本棚登録 : 9535
感想 : 557
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読み終わりましたが、精神には異常をきたしておりません。
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読み終わりましたが、精神には異常をきたしておりません。
読み終わりましたが、精神には異常をきたしておりません。
読み終わりましたが、精神には異常をきたしておりません。




……いや、正直なところ、毎晩寝る前に読んでいたら、その間ずっとヘンテコな夢を見る日々が続きました。後半を徹夜で読んでいたら、始終微弱な吐き気に悩まされるハメになりました。はい。

凄い本だった。
読み終わった瞬間、再読が決定した。
半分も理解できていない気がするが、以下感想。

読み始めてすぐに衝撃を受けたのは、作者の言語感覚。「語感」というものをこれほど有効に利用した文章も珍しいのでは。カタカナをはじめ、三点リーダや大活字の使い方がとにかく巧い。「こういう表記をしたら、読者はこんな印象をうけるだろう」ということを知りつくしている感じ。字面を眺めているだけでその禍々しさに当てられてしまいそうだ。「脳」ではなく「脳髄」と書くからこそ成り立つ世界。

その一方で、かなり笑えるワードチョイスを見せてくれるのも隠れたポイントかと。いや、だって、チャカポコチャカポコでアンポンタン・ポカンですよ?アタマ航空会社専用の超スピード機『推理号』ですよ?何という素敵なセンス。笑いを殺すためにほっぺたの内側を噛みしめながら読んだ。電車で隣に座ったおじさんの私を見る目が忘れられない。

そして言わずと知れた構成の妙、もとい、妙な構成。
率直に問いたい。読ませる気があるのか?上巻にチャカポコやら脳髄論文やら胎児の夢やらをあんなに詰め込んだお陰で、何人の読者が挫折すると思っているんだ。いくら何でも遺言書が長すぎるとは思わなかったのか。下巻に入ってからも参考人の供述責めかと思えば急にめちゃくちゃ読みにくい古文を交えてみたり、いったい何がしたいんだ。アハアハアハアハ……じゃ済まされないぞ。
と、思わず声を荒らげてしまうような構成となっております。こればかりは、読んでみないと何とも言えない。いや読んでも何とも言えない。

まさに幻魔怪奇探偵小説。本当に理解しようと思ったら、この本だけを繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し読むことになるんじゃなかろうか……。

あれこれ書いてきたが、最後に未読の方々のために以下を強調しておきたい。決して読めない本ではない。かつての私のように躊躇っている方がいらっしゃったら、是非一度挑戦されたし。本書はきっと読書人生のうちで忘れられない一冊になるだろう。いろんな意味で。

付記。
大学の図書館で最後のページを読み終わってしばし呆然としていると、友人が後ろから覗き込んできて一言。「あ、それ中学んとき読んだわ。」……私は思わず彼女の顔をまじまじと見つめてしまった…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2011年12月9日
読了日 : 2011年12月9日
本棚登録日 : 2011年12月9日

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