10年ぶりくらいに見直してみました。
アレックスがピクルス詰め替えてるのは覚えてたけど、大事なところは全然覚えてなかった。
旧東ドイツに住む母子の物語。旦那が西ドイツに去ってから、熱心な共産主義者の教員として生きてきた。一方息子のアレックスは内心共産主義が嫌になっていて、反対するデモに参加していた。そんな日に母が倒れて、意識を失なう。
程なく、ベルリンの壁が崩壊し、東西が統一される。その後母は意識を戻すも、医者から「絶対に刺激を与えないように」との言葉を受け、アレックスは「ドイツの東西統一を隠す」と決め、急速に失われた東ドイツの痕跡を必死に取り戻す。
母をおもう息子のアレックスは、必死で嘘をつき、ゴミ箱を漁ってまで、東ドイツの生活を取り戻し、頼るものを失った昔の友人を探し、母を信じ込ませる。
最後は憧れの元宇宙飛行士(現タクシー運転手)を借り出して、なんとかドイツを無理やり統一させる。
母は気づいていたのかもしれないけど、最後まで息子の嘘を信じて、安らかに世を去った。
笑えるけれど、東ドイツがいかに面影を失い、閉じた世界で良い立場にあった人間が隅に追いやられたかもわかる。やっと見つけた東ドイツ貨幣の母のへそくりが、交換期限を過ぎ紙切れとなるシーンは切ない。
あとロシア出身の看護師の恋人ララは麗しく、たくましくて、すごく魅力的なキャラクターでした。
本質は軽い話ではないんだけれど、ストーリーが面白くて話のテンポもよく、笑えるところは笑えて、退屈しない、非常にいい映画と思います。
- 感想投稿日 : 2020年4月4日
- 読了日 : 2020年2月10日
- 本棚登録日 : 2020年2月10日
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