新装版 よろずや平四郎活人剣 (下) (文春文庫) (文春文庫 ふ 1-37)

著者 :
  • 文藝春秋 (2003年12月5日発売)
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緩み具合といえば、友人(?)明石半太夫。
詐欺漢まがいのこの人物の造形もさることながら、主人公とのつきあいぶりが、いかにも古き良き江戸の、人と人との関わりを彷彿とさせる――もちろんそれは創作された世界ではあるが、そういう緩さもありえたのだろうと思わせてくれる――

もう一人の友人、朴訥な人柄の北見十蔵、そして主人公である神名平四郎、この三人の掛け合いぶりは目が離せない。

といってもそれは、この長編を構成する背景の一つに過ぎない。
連作短編という形式で、さまざまな事件を織り込みながら、作者の練達の筆は、物語を絞めたり緩めたり思うがままに、われわれに読むことの楽しさを提供してくれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本 :時代小説
感想投稿日 : 2017年9月10日
読了日 : 2016年1月31日
本棚登録日 : 2017年9月10日

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