世界の介護保障〔第2版〕

  • 法律文化社 (2014年5月8日発売)
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感想 : 1
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本書は2014年の第2版。
私が読んだのは2008年の初版で、その感想です。

     ★☆ ★☆ ★☆

本書は、世界の高齢者介護について概説した本。欧米とアジア諸国の高齢者介護に関する制度や施策が、国ごとに説明されている。

取り上げられている国は、
欧米からは、
イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、アメリカ。

アジアからは、
中国、韓国、台湾、シンガポール、そして日本。

通して読んでみると、意外なことに、日本の介護保障制度はかなり進んだ位置にあることがわかる。
すくなくともイギリス、フランス、アメリカといった国々よりも、真剣に取り組んでいるようだ。

それも当然で、日本の高齢化率は、この本が書かれた2008年の段階で20%を越しているが、ヨーロッパ諸国はまだ16~17%。
日本は2050年に40%を超えるが、ヨーロッパ諸国は20%台でおさまる。そこまで深刻化せずにすむわけだ。

原因はもちろん少子化。
日本の合計特殊出生率(女性が一生の間に産む子供の数)は1.2~1.3人だが、ヨーロッパは1.7~2人と高い。
一時低い時期があったが、かなり向上している。

高齢者の介護保障が進んでいるということは、高齢化がそれだけ深刻ということである。
手放しで喜んでばかりはいられない。

だが、韓国・中国も、このままでいくと日本と同じコースをたどるだろうといわれている。
とりわけ韓国は、2050年以降に、日本の40%を追い抜く勢い。急速に高齢化が進む。
だからこそ韓国でも、2008年に介護保険制度を導入したのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本 :高齢社会
感想投稿日 : 2018年10月9日
読了日 : 2010年1月1日
本棚登録日 : 2018年10月9日

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