歌舞伎 家と血と藝 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2013年8月13日発売)
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感想 : 22
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20140915読了
「オペラの運命」と前後して読む。同時期に発生した西洋のオペラ、極東の歌舞伎、それぞれの歴史をざっとたどりたかった。●歌舞伎の有名人はメディアをとおして耳にこそすれ実はよく知らなかった。いくつかある家のルーツを1冊にまとめてあり、読みごたえがある。同じ名前を○代目、○代目と継いでいくので誰が誰だったか分からなくなり、家系図に何度も立ち戻らざるを得なかったけれども。●明治から敗戦前に活躍した、ハーフの歌舞伎役者がいたのに驚き。その父であるフランス系アメリカ人は明治政府に採用されたお雇い外国人で、当時、日本政府の外交に大きく貢献したとのこと。それで(ここからがすごいのだが)大隈重信と伊藤博文が彼に妻を与えることにした(!)とのこと…奥さん(もちろん日本人)あげちゃったよ、すごい時代だ。妻となったのは由緒ある血筋だが生活に困窮して芸者をしていた女性だそうで、その子どもが歌舞伎役者になった15代目市村羽左衛門。●この伊藤博文が関わるエピソードを読んだ頃、並行読みしていた「ピアニストという蛮族がいる」(中村紘子)にも伊藤博文エピソードが登場。明治15,6年、ワイマール公国でフランツ・リストのピアノ演奏を聴いた伊藤博文が感激し「この者を日本に連れて帰りたい」と言いだした、とのこと。あのリストを!…どちらのエピソードも衝撃度が大きかったよ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本
感想投稿日 : 2014年10月19日
読了日 : 2014年9月15日
本棚登録日 : 2014年7月27日

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