笑えない土壌から面白さがひょっこり生えてくるような感覚。
しーーんという沈黙が、
ずーーっと鳴っているようなざわつき。
まるで音もなく胞子が舞うような、静かなる侵食。
脳内で絡み合う菌糸。
魅せられる、独特な世界。
ヒグチユウコさんの装画が絶妙にマッチ。
ほーっと呆けてるうちに、悪びれもなく菌は蔓延し、
それに対してこれといって危機感を持つ訳でもなく、
まぁそれはそれでいっか〜みたいな妙なゆるさが変に心地良い。
人々がなかなかどうしてきのこに魅せられるのは、
もしかしたら菌人化が進んでいる兆しなのかもしれない。
自分もなんかちょっときのこなのかも。
そんな風に思えてきて、
それでいて、
まぁそれもいっか〜なんて思えてくる、
不思議で可笑しな幻想小説。
ばふんばふんとページを歩んで
貴方も胞子を浴びたらよろし。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年5月4日
- 読了日 : 2022年5月4日
- 本棚登録日 : 2022年5月4日
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