2005年刊。著者は神田外語大学助教授。元外務省国際情報局専門分析員。少し古いが、中国の問題点を、数多くの実例を付記し丁寧に解説。問題点とは、地域・業態格差とその拡大。党役員の腐敗、そして、腐敗是正のための制度の不備と運用不全。三権、特に捜査権・司法権の独立の不存在、その要因たる共産党独裁の機能不全。御用商人と党役員との癒着、マスメディアの機能不全など。内容は新奇とは言いがたいが、開発独裁の時期を過ぎ、経済的自由、競争ルールの確立と遵守の方途の必要性、一党独裁・計画経済からの脱却の可否が今後を占うとする。
何より丁寧な実例紹介が他書の追随を見ない。新書なのに読み応え十分なのが岩波らしいところ。
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- 感想投稿日 : 2017年1月22日
- 読了日 : 2017年1月22日
- 本棚登録日 : 2017年1月22日
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