2002年(底本1987年)刊。
日本初のフィールズ賞受賞者による自叙伝。日経新聞連載「私の履歴書」をまとめたものである。
読後感は、天才は天才しか判らず、の意を強くするというものである。
なるほど表題には「算数しかできなかった」とあり、いかにも他の科目ができていないようなそれだが、一論文が米国研究者の目に留まって米国大学へ招請されたり、湯川秀樹や朝永振一郎らとの親交、数学が得意というだけで旧制第一高校理科乙類を一位で合格しているなど、凡俗には想像がつかない人物だったことは想像に難くない。
もっとも、高校レベルの数学の証明問題に関する暗記の推奨(勿論、暗記というのは、その証明の過程や意味の理解を伴ってというもの)や小学校(特に低学年に妥当か)教育への提言は大いに首肯できる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自叙伝
- 感想投稿日 : 2017年1月20日
- 読了日 : 2013年6月1日
- 本棚登録日 : 2017年1月20日
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