公務員クビ!論 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞社 (2008年2月13日発売)
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感想 : 28

2008年刊。県庁管理職、市役所職員、旧労働省本省、国の出先機関での職歴を持つ著者(現在は大学教員)が、公務員制度の是非・長短を、官民の等距離から解説し(が、民間企業の就業経験はなさそうで等距離かは?)、公務員の実感を把握するのに良。公務員全員が悪人でなく、本書にある良き公務員がいるのも間違いなかろう。加えて、過剰な公務員叩きが教師へのモンペを生み出したのと同様の弊害を招く点も苦笑しつつも首肯。他方、公務が効率性と非整合的・単年度予算制等効率性を阻害するシステムが存在する点は否定しないが、弁解じみている。
備忘録。①処方箋の一つとして、官民の流動化。②地方への権限委譲・地方間競争の促進は総務省(旧自治省)の財務対抗策の一つ。③あまり知られていないが、総務省若手の副知事出向は財務省の税務署長と同様の「若殿研修」。著者の経験でも他省庁の自治体出向ポストは軽量化・廃止の方向だが、自治省出向ポストは維持。④倒産は無理としても、退職等で職員の緊張感を一定程度維持する必要がある。⑤公務は多様な利害を持つステークホルダーがおり、利益追求のみの民間企業とは異なり、調整が困難で、舵取りが難しい。
⑥優秀な企画部門、人事・政策立案にいる公務員を前面に。説明能力の付与によるスーパー公務員の養成。⑦強すぎる年功序列賃金制度の緩和。職能給の拡充。足高の制?。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自叙伝
感想投稿日 : 2017年1月17日
読了日 : 2017年1月17日
本棚登録日 : 2017年1月17日

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