下天は夢か(二) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1992年6月4日発売)
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本棚登録 : 163
感想 : 8

 津本陽版信長公記。全4巻中2巻。

 美濃攻略〜姉川合戦迄。信長公の小説をたくさん読んではいないが、義昭上洛の露払い戦において、三好党の六角承禎の守る箕作城・観音寺城攻略戦にここまで筆を割いているのは見たことがない。
 一方で、稲葉山城攻略をここまで簡略化しているのも…。
 そういう意味で戦記描写に特化する著者らしさは感じられるが、面白いかと言われると、うーんとなってしまう。

 また、信長記ではなく、太閤記のごとき藤吉郎の活躍ぶりと描写の多さは少し笑ってしまった。

 ただし、延暦寺など仏教権門が交通と商業を掌握していた。これを前提に、信長の叡山焼き討ちの主要因を、交通網・商圏の支配権争奪戦と見たのがなかなか印象的。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年1月2日
読了日 : 2017年1月2日
本棚登録日 : 2017年1月2日

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