鉄道と国家─「我田引鉄」の近現代史 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (2012年4月18日発売)
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感想 : 40

我田引鉄、つまり、政治家による鉄道の地元誘導策(路線変更・駅の設置・新線開通)につき、鉄道発祥期から国鉄民営化までを叙述。ローカル線設置と上越新幹線の件は、狭い範囲だが良質の田中角栄論。ただ、本書は、そこだけではなく、①鉄道網(特に幹線網)の発展経緯、②線路幅など鉄道規格と後世への影響、③軍との関係、④大正期の政争、⑤新幹線技術の輸出(韓台中だけだが)も解説。④につき、中国のコピー文化、特許(商標・著作権も含まれるが)を巡る国際的紛争にも触れるが、経済発展顕著な国に等しく発生するよう。かつての日本も同様。
徐々にルール内に引っ張り込むしかないが、それまでは徹底して責任追及と防衛策に当たるしかない。その意味でJR東海(中国不信)と川崎重工業(一定のコピーは容認?)の対応策の違いは興味深い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年1月20日
読了日 : 2017年1月20日
本棚登録日 : 2017年1月20日

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