1975年刊行。
二・二六事件にて首謀者は叛乱軍として科刑されたが、その妻たちは、事件後、叛徒の未亡人として戦中・戦後を沈黙のまま生き抜いてきた。その苛烈な道行きを広範な取材で描く。
これまで光の当たらなかった部分が照射され、事件の政治的・社会的な当否は兎も角、事件の一面を浮かび上がらせた著者の功績は大。このジャーナリストとしての感性に敬服するのはもちろん、刑死した首謀者の隠された本意や自身の苦悩を後世に伝えるべく、重い口を開いた取材対象者にも感服するところ大である。
鬼籍に入られた方も多いことからすれば猶更である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月2日
- 読了日 : 2017年1月2日
- 本棚登録日 : 2017年1月2日
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