2005年(底本1989年)刊。軍国主義の足音がヒシヒシと伝わってくる昭和11年(二・二六事件発生年)。男女の関係の究極ともいえる殺人と死体損壊事件で世間を騒がした阿部定。彼女の予審調書を軸として、本事件、特に定の行動と心情を解読しようとする。定におけるSEXの意味、快楽の価値、男の口説きへの感応については、男である私には読み解きようがないが、心持は割と明快に陳述しているよう。ただ、逆に、女殺しの人生を全うした被害者石田吉蔵、コキュ街道まっしぐらの大宮五郎。阿部定に関わった男たちの道程の方が興味をそそる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月22日
- 読了日 : 2017年1月22日
- 本棚登録日 : 2017年1月22日
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