緑川ゆき著「夏目友人帳」が人と妖の境界線模様を、彼らの出会いと別れを通じて切々と歌い上げる作風なら、何でもない日常を切り取り、いかなる場面でも「天野ワールド」に誘うことのできる。
それが本作や「ARIA」なのだろう。
中でも吃驚したのが「だるまさん」。
「だるまさんがころんだ」という、誰でも知っていそうな幼き遊びに興じる様を描くだけで、夏の暑さのけだるさと、そのけだるさを一事に熱中することで吹き飛ばせる高校生の熱量の眩さ、動かないと決めたらてこでも動かないてこ=双葉の性格描写、ダイビング部の仲の良さを描き切っている。
この著者独特の描述手腕には心底驚かされた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2016年12月11日
- 読了日 : 2016年12月11日
- 本棚登録日 : 2016年12月11日
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