分析心理学

  • みすず書房 (1976年2月28日発売)
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本棚登録 : 186
感想 : 11
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Twitter読書会の中である参加者様からご紹介して頂いた本。ユング自身の著作を読むのは初めてで、読み通せるか不安でしたが、最後まで何とか読み通せました。本書はロンドンで行った5回に亘る講演録。態度の型、思考・感情・感覚・直感の四機能、自我、普遍的無意識、元型など、ユングの分析心理学の核となる考えを述べている。中でも多く占めているのは夢の分析で、多くの神話や宗教(キリスト教)を用いて夢の語らんとしていることを分析している。古今東西、様々な地域に類型の神話、お伽噺が伝え残されていることを考えると人類共通の元型、普遍的な要素というは確かにありそうではある。それがユングの言うところの普遍的無意識なのだろう。また言語連想検査では読んでいて江戸川乱歩の「心理試験」を思い出した。時代のせいなのか、ややユングの言説に差別的なものが含まれているのが少し引っかかる。一読しただけでは掴みきれていないので、また再読したい。とても興味深い本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理学
感想投稿日 : 2021年2月3日
読了日 : 2021年2月3日
本棚登録日 : 2021年2月3日

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