掌篇歳時記 春夏

  • 講談社 (2019年4月24日発売)
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24節気を3等分した72候があることを知って、日本には季節を細かく愛でる文化があったのだと再認識した.その季節感を念頭に置いて、著名な作家が短編を綴るという贅沢な本だが今回は春夏を読んだ.村田喜代子の雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)が面白かった.戦前の裕福な家庭に育った姉妹だが、それぞれにねえやがいて、様々な世話をするという、今では考えられない家庭内のやり取りが出てくる.あんな時代があったことは、映画や小説の中でしか接することはできないが、この姉妹の会話からその情景が想像できることが新しい発見をしたような感じだった.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2019読破
感想投稿日 : 2019年11月6日
読了日 : 2019年11月6日
本棚登録日 : 2019年10月27日

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