言論統制というビジネス: 新聞社史から消された「戦争」 (新潮選書)

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  • 新潮社 (2021年8月26日発売)
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感想 : 10
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第二次世界大戦下の日本で言論統制があったことはある程度理解しているつもりだったが、本書で官側の規制に対して民間側の対応策に様々な駆け引きがあり、ある意味で規制をうまく利用していったしたたかな知恵者がいたことに驚嘆した.古野伊之助と正力松太郎だ.全国紙と地方紙、さらに通信社の生き残りを図るためのアイデアが続出していた.一県一紙が要請された際に、全国紙(朝日/毎日/読売)の正力と地方紙の古野の駆け引きは面白い.地方紙として東京3、大阪2だが、なんと広島は海軍の関係で2(中国新聞と呉新聞).1944.7発足の小磯内閣で、朝日新聞副社長の緒方竹虎が国務大臣・情報局総裁に就任したのが笑える話だ.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022読破
感想投稿日 : 2022年2月7日
読了日 : 2022年2月7日
本棚登録日 : 2022年2月2日

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