フランス革命を時代背景に、3つの女性の性をテーマにした中短編集。
一番最初が標題の小説なんだけど、本当にこの時代のキリスト教の教義って人間を戒律で雁字搦めにして、幸福を目的としてないな、って思った。
むしろ、それが原因で自然な人間の感情の発露を無理やり押さえこんで不幸にしている、って思った。
扱っているのは性の問題だけど、なんかどの話しも読んでいてジーンときてしまった。
どのお話も、抑圧されて歪められた性のお蔭で、人生が狂ってしまったような、そんな印象を抱いた。
興ざめだったのは、解説・・。
舛添要一なんだけど、どうしてこの人に解説を頼んだのかな。
いくら革命時のフランスが舞台とは言え、この人の解説はこの人の見地から見たもので、結局の所、男の政治学者らしい見方って感じがし、この小説の本質からはかなりかけ離れた解説になってる気がしたな〜。
私はこの本を読んでいて、女性哀史を思い出してしまった。。
でもこの本で描かれているのは、女性の性の問題だけでなく、革命を背景にしている事で、もっと広くて深いものを含んでいると思うけどね。
面白く、また新しい物の見方を教わった気がします。。。
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カテゴリ:
世界史・小説
- 感想投稿日 : 2006年6月3日
- 本棚登録日 : 2006年6月3日
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