コロナが流行りだしてから書店などでよく見かけて、2020年のうちに読んでおきたかったもの。これは2010年に書かれたフィクション小説だけど、全体を通して現在の世界と細部の違いはあれど「予言の書」なのではと空恐ろしく感じさせられる内容。参考文献にも沢山の本が載っていて、多くを学んで書かれただけありウイルスの勉強にもなった。
この本を読んで、我々が日々生きていく上では全く意識しないがウイルスは昔から人間とともにあり、感染によって人間が淘汰されたりまた収束したりするのを繰り返してきたんだという史実を再確認した。これは「予言の書」などではなく、現在の世界の状況はいつかは来ると予想できるものだったのだということ。自分の経験だけで物事を捉えるのではなく、人類の歴史を見よということなんだと感じた。
高嶋哲夫さんの本は初読。経歴を読んで、慶應の工学部卒でその後原研で研究員もしてらしたとのことで色々と納得した。災害系の小説をたくさん書いていて、2005年に書かれた『TSUNAMI 津波』や他にも『メルトダウン』というタイトルのもの、首都直下地震や富士山噴火を題材にした小説もあるということで、とても興味を持った。他の本も読んで、自然災害などに油断しがちな自分の意識を高めておきたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年12月12日
- 読了日 : 2020年12月12日
- 本棚登録日 : 2020年12月9日
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