女神 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社 (2006年9月7日発売)
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「人というのは、他者から価値のない人間と決めつけられてしまったら、明日から生きていくだけの活力を、案外たやすく失ってしまう生き物なのだ。」
「男というのは、「君の幸せ」と言いながら、自分の人生の設計図に、女を同伴者として取り込もうとする。頭に勝手に未来の絵を描き、設計図を引くという点では、沙和子のしていることも彼らと同じかもしれない。だが、沙和子は、男を登場人物にしても、男を取り込んだ図は描かない。」
「私、やってみようかな。沙和子さんみたいにやってみようかな。そりゃ、ああはいかない。どうしたってスケールは、うんと小さくなると思う。私には、人を殺す度胸もないしさ。でもミニ君島でいい。私もしっかりシナリオ書いて、この先何年かの人生、自分でコーディネートして演じてみようかな。沙和子さんの言うとおりかもしれない。自分をコマにして、自分でゲームするからこそ楽しい。今よりも、もっともっと熱狂できるかもって。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年7月22日
読了日 : 2012年7月22日
本棚登録日 : 2012年7月22日

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