氷の心臓

  • あすなろ書房 (2008年11月1日発売)
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感想 : 19
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自分の胸からつまみだし、氷の城の小部屋に保管してあった雪の女王の心臓を、雪鷲が城にもぐりこみ心臓のかけらをもぎとり盗み出した。そのおかげで女王の力が弱まり、原初の寒さが地上に広がっていた。

ホテルのワイン貯蔵庫で生まれたマウス。メイドボーイとして宿泊客の靴磨きをしている。マウスはホテルから出たことがない。ずっとホテルで暮らしているので、外の世界がとても怖い。
ある日エレベーターボーイたちから苛められ、外にほおりだされてしまった。寒さと恐怖でいると誰かに、女性タムシンに助けられる。
そして雪の女王と、悲しそうな目の少年エルレンが、ホテルの≪皇帝の間≫に宿泊していた。この少年は女王の魔法で人間に姿をかえられしまったトナカイだという。

冒頭部分から、なんだか面白そうな感じ。アンデルセン童話の「雪の女王」の登場です。圧倒的な存在感がありますね。
前に本物の少年を手元に置こうとしたことがあった・・・ってセリフがあるんですが、これって、カイ? ってちょっとニヤリとします。魔法使いタムシンと雪の女王の戦い、それにマウスの両親や皇帝暗殺が絡んできて、展開が早くて、物語世界に引き込まれる。物語はすべてホテルの中で進みますが、読んでると、寒さが伝わってくるような。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ファンタジー
感想投稿日 : 2012年10月31日
読了日 : 2012年10月31日
本棚登録日 : 2012年10月31日

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