わたくし率 イン 歯ー、または世界

著者 :
  • 講談社 (2007年7月26日発売)
3.27
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本棚登録 : 1091
感想 : 192
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おぉ・・・。先日「乳と卵」は受け付けなかったのですが、これはいけました。
あぁ。この人、この作品で評価得ていたの納得。という感じ。
好きか嫌いかと問われれば、嫌いな類の本(内容、文体ともに)なのだけど、まぁこういう「ブンガク」もアリだわなぁ。。。と。というかアルわなぁ。。という感じか。
ストーリーは、説明してしまうと身も蓋もない内容。
ただ、読んでいると、急流下りをしているような感覚になる。
安定感のない小船でごうごうと流れる川をグラグラ下っている感じ。
リズム感があるんだかないんだか分かんないペースで下ってて結構スリリング。
それが「どんっ!!!!」と大きな岩にぶつかって小船転覆。
うわっ!!今まで船にしがみつくことしか考えてなかったけど、目覚めた!!
頭から川の水被って呆然・・・。
そんな感じの展開。
大阪弁で怒涛の如く語られる「私」の語り。
その勢いが急流下りのようで、後半突然「どんっ!!」と第三者から明らかにされる「私」の容姿と、過去。

この勢いは、、まぁアリなんじゃないですかねえ。歯のエピソードともに。

なんでこれ受け容れられたかなあと考えてみたら、以前読んだ「逃亡くそたわけ」に似た勢いがあるんですね。あれは、私の故郷の言葉で語られていたから特についていけた感じなのですが、これも大阪の人が読んだらものすごく気持ちよく言葉が入ってくるんじゃないかと。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2009年
感想投稿日 : 2010年8月9日
読了日 : 2009年12月31日
本棚登録日 : 2010年8月8日

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