薔薇くい姫・枯葉の寝床 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1996年7月10日発売)
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本棚登録 : 470
感想 : 30
3

セレクトの良い短編3作品集。
『薔薇くい姫』……自伝と言うかエッセイ風の日常小説。なんというか、70歳になって小説家としてもそこそこでも人に舐められる事にイライラしてる茉莉さんに「わかるわかる」と頷いてしまうw 主観と客観とのズレを冷静に分析してる所が良かったです。なんとなーく、自分もこいいうおばあちゃんになりそうだから、つい共感してしまいました。
『枯葉の寝床』……元祖BL小説? とか言われてるみたいですが、耽美世界ですね。ただ、延々とそういう世界が続いてるので、少々飽きます。室生犀星に、もうちょっと飾りたてすぎる表現の肉を落とした方がいい、って指摘された意味がよく分かるような。頭にあんまり入ってこないスカスカのものになってしまう感がありました。ナルダンやロンジン、ムゲのパルファン、といった美的センスは今でも秀逸だと思いますが。後半にかけての犬のエピソードからクライマックスは良かったです。
『日曜日に僕は行かない』……これも少年愛ものの変奏曲でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年10月4日
読了日 : 2014年10月4日
本棚登録日 : 2014年5月8日

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