「南京事件」を調査せよ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年12月5日発売)
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感想 : 7

すでに政治化してしまっていると本当に何があったかを突き止めることは不可能だろうなと思いつつ、他にもいくつか同事件に関する著作を購入しているので(未読)、まずは一番手軽に読めそうなこの本から手を出した。

内容は南京事件が云々といいつつも、調査報道とは何か、一時資料に当たり、一つ一つの内容を確認していく作業はかなり地味でありながら、興味深いものであった。その確認内容からも、何かしらの虐殺と呼ばれるものがあっただろうと思われることは間違いない。使った資料リストが文末にあるが、当地にいた非日本人・非中国人の書いた記事等もあればより多角的になったような気がする。

歴史とは日本人にとっては過去に一体何があったのか、それを出来るだけ正確に掘り起こすことだと思っていると思うが、中国人にとっては政治上利用するための出来事でしかなく、同じ単語であってもそもそも定義が違う。そこを言い争っても噛み合うわけがなく、過去の出来事の誇張らしきがあればそこを突っ込んで、虐殺はなかったとか反対側の誇張を言い出す日本人が出てくる事もそれほどおかしくはないように思う。

ちなみに、南京事件とは関係のない現代に飛んだり、別の虐殺事件に飛んだりと、やや散漫な感はある。日本軍による重慶爆撃の話は確かにあまり聞かないので、その辺りに関する著作も探して読んだみたいと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月15日
読了日 : 2022年1月15日
本棚登録日 : 2022年1月15日

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