弟子たちとの空気感、新聞連載の読者を飽きさせない工夫や、世間の流行、ライバル社の小説を意識していたりと、今の読者が作品をただ読んでいるだけでは知り得ない情報・考察が書かれていて大変興味深かった。
私の好きな『門』は読者をあまり意識していないと考えられているようで、苦笑した。そんな力無い文字しか書けないような状態で仕上げた作品だったとは。
『三四郎』の美彌子と野々宮の隠された物語の話が特に面白かった。
これらを踏まえた上でもう一度漱石を読み直したら、また違った感想を持つのかもしれない。普段とは違う読書の楽しみを得られそうだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説以外
- 感想投稿日 : 2023年10月10日
- 読了日 : 2023年10月9日
- 本棚登録日 : 2023年10月3日
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