タイムカプセル (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2012年10月16日発売)
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本棚登録 : 530
感想 : 45
3

Amazonの紹介より
栗橋北中三年A組の有志が卒業式の日に埋めた銀色のタイムカプセル。誰も会ったことのない不登校の不破勇の小説も中に入れられた。十年後、メンバーたちに「選ばれ死君たち」宛の不気味な案内状が謎の郵便屋から届けられる。卒業式に出られなかった彩香は当時のメンバーと会うが、「ホール」という言葉を聞いたとたん、なぜか誰もが口を閉ざしてしまう。そして開封の日が訪れる。郵便屋は誰なのか? 封印されていた秘密とは何か?
タイムカプセルは巻末の「袋とじ」。叙述トリックの名手がヒントをちりばめた……。
結末が予想できたら、さあ、開封しよう!



書店の目立ったところで紹介されていて、興味を持ったので購入してみました。

なんといっても、目を惹くのが最後の約30ページ分が袋とじされているところです。タイムカプセルを開けると共に読者も袋とじを開けるといった手法になっています。

それに至るまでの物語が、ジワジワと近くにまで迫ってくるかのような恐怖にさせられて、なんともたまらなかったです。
何故手紙が送られたのか?
犯人が誰なのか?

期待を膨らませるかのような展開にミステリーとしての魅力が詰め込まれていて、面白かったです。
次々と明らかになっていく隠された真相。さらに袋とじにどんな真相が隠されているのか。色々と考察が頭を駆け巡って楽しめました。

で、袋とじを開けて、全ての真相を読んだのですが・・・色んな驚きが詰まっていて、度肝を抜かれました。
自分の想像した人物像がかけ離れていたり、もう少し別の方法があったのでは?と思ったりとザラザラ感の残る物語でした。犯人にとっての10年、同級生の10年など色々な思いがあったと思いますが、それにしても親がもっとちゃんとしてくれないと・・・とか思ってしまいました。

意外な展開を期待していましたが、ある意味、意外ではあるものの、変化球が多かったなと思いました。
そんなこんなで気持ち悪さの残る余韻でしたので、その後の展開も知りたくなりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年11月
感想投稿日 : 2022年11月23日
読了日 : 2022年11月19日
本棚登録日 : 2022年11月19日

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