還らざる聖域

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2021年6月15日発売)
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本棚登録 : 91
感想 : 22
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屋久島の海岸に突如現れた謎の部隊。次々と島民を銃殺していく。警察署も爆破し、通信も途絶えた。政府に要求した内容とは?島民たちは、自分の島を守るため、敵に挑もうとする。


スリリングな展開で、アクションあり、人と人との団結力あり、たまに恋愛ありと面白かったです。

島民や政府、自衛隊、犯人など様々な人物の視点から、相手に戦いを挑んでいきます。登場人物が多くいるので、覚えるのは大変でしたが、それぞれ場面では、「静」から「動」まで、あらゆる雰囲気を味わえるので、そんなに苦ではありませんでした。

舞台となるのは屋久島。屋久島の自然や魅力が紹介されていますが、個人的に行ったことがないので、名称や位置関係といったものがあまりわからなかったです。地図があっても良かったかなと思いました。

単に敵に挑むだけでなく、その裏側で動く内通者や裏切り者の登場で歯車が狂うかのように変化していくので、最後まで見応えがありました。

ずっとアクションしているだけでなく、人との交流といった温かみ、恋の始まりといった「息抜き」的な要素もあって、緩急のある作品でした。

一見、内容が突飛しているかなと思いましたが、読んでいくほど、現実的な問題や政府の対応、外交問題などリアルさが増してきて、ここまで大胆ではありませんが「現実に起きるのでは・・・?」とも思ってしまいました。

武装制圧する敵の集団、生き残りをかけて挑む島民たちなど色んな人達が交差する物語で、息もつかせぬ展開で色んな「奇跡」を目撃しました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年7月
感想投稿日 : 2021年7月5日
読了日 : 2021年7月5日
本棚登録日 : 2021年7月5日

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