「経営の神様」と呼ばれた実業家・松下幸之助を四半世紀に渡って追いかけた著者が、その創業者が66歳で引退した後における同社の迷走について考察する。実父の米相場での失敗によって凋落した和歌山の地主「松下家」の再興を目指す中で親兄弟と早くに死に別れ、結婚後も待望の長男が病気により夭逝するなど、家族愛に恵まれなかった幸之助氏は「家」に執着するあまり、その後継に娘婿を据えて会長に退く。しかし2000年に松下家による世襲は終わり、幸之助氏の夢は潰えた。書店によく出回っている「礼賛本」ではなく、カリスマ創業者の遺した「負の遺産」や、そのDNAを引き継げなかった後継者たちの失政を分析した一冊で、読後感は重い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本の企業
- 感想投稿日 : 2020年12月12日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年8月12日
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