言い寄る

著者 :
制作 : 大久保伸子 
  • 講談社 (2007年6月16日発売)
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本棚登録 : 550
感想 : 100
3

肉食系女子の自由恋愛。

デザイナーの乃里子は
複数の男性に同時に言い寄られていた。
彼らと過ごす時の乃里子は強気で大胆で饒舌なのに、
本当に想いを寄せている五郎には指一本触れることもできない。
そしていつの間にか、あの奥手な五郎が
自分の友人に言い寄っていることが分かり…。

たまには THE 恋愛小説を読もうと思って
不朽の名作!と銘打たれていた本作を手に取りましたが
まー、嫌悪感の連続でしたね。笑
まず、出てくる人たちがダメ人間ばっかり。
未婚で妊娠して堕ろすだの産むだので揉めてみたり
妊娠しているのに飲酒したり
女遊び三昧だったり、不倫してみたり。
当時の人たちはみんなこんなに不謹慎だったのかしら?
そして、表現がいちいち古臭い。
昭和48年に書かれている話だから当然といえば当然なのですが
「SUKEBE」が本文中に出てきたときにはびっくりして二度見してしまった。笑
当時としては「イカす」表現なのでしょうけど
こういったものが随所にあってうんざりしてしまいました…。

それでも最後まで読めたのは、後半へいけばいくほど
乃里子が不憫でいたたまれなくて感情移入してしまったからです。笑
だって自分が何年も片思いをしていた相手が
いつの間にか親友に言い寄っていたなんて。
しかも2人は自分がいたから出会ったわけで、
20代女子にはこれ以上ない悲劇ですよ。
どの時代にも通じる題材、という意味では不朽の名作なのですね。

1番好きな人とは一緒になれない、
2番目に好きな人と一緒になった方が幸せになれる
といういう言葉を聞くことがありますが
それは、「2番目」に好きな人だから幸せになれるということではなく
言い寄るより言い寄られる方が結果的に満足感が高い、
ということを意味しているのでしょう。
昔、KinKi Kidsの「愛されるよりも愛したい」という曲あって
当時小学生だった私は「そうだ!そうだ!」と思っていたけれど
安定を求めるこの年になると、「逆だよね」と思う。笑
乃里子には愛されることのメリットを言い聞かせて
「思い出にするのよ!」と諭したい。笑
ま、その必要がないことは最後の一文でわかるのですが…。(立ち直りがはえーよ!!!ってなった)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年3月30日
読了日 : 2014年3月30日
本棚登録日 : 2014年3月30日

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