題名からすると、大学の勉強関係の本だと思われるかも知れないが、本当のところは以前読んだ「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」の参考文献に取りあげられていて、面白そうだから読んで見ようと思った本だ。
憲法と言っても「日本国憲法」の話ではなく、一般的な「憲法」の話で、憲法で戦争や冷戦解決の話をしたりするもんだから、なんか目から鱗というか、それまで考えもしなかったことだから、ものすごく興味深く読んだ。「国」とは何か、とかね。この「国」というのは、自然の国土やそこに暮らす人々のことを指してるのではない、それは「憲法」、いわゆる「権利の正当性」を指しているのだ、ということとかね。そして戦争というのは、一方が一方の憲法を書き換えさせることなんだ、と。
こんな調子で途中まではね、4章まではすごく面白かった。なんかね、今までに考えたこともなかった概念が植え付けられたというか。
だけどこの本、国民投票法ができる前の本だったんだよね。。そしてまだ(民主党に)政権交代するなど考えもしていなかった頃で、ある意味、これらのことが起こったあと、この人は今、どう考えてるんだろう?と思った。
今は既に憲法改正論議は下火だが、例えば国歌国旗法の成立で、教職員が国歌を歌ったり国旗に対して立たなければならなかったり、という「勧告」(でいいのかな)が出来ている。国歌国旗法自体には全くそういうことは書いていない。しかし、こういう法律からではないもので、ある一定層をしばり、それによって国民に対して国歌は歌うもの、国旗に対しては立つもの、という「世論」を作り上げようとしている、そしてそれはいつか「憲法改正」へ繋がってくることが予想される。こういうことに対して、著者は一体どのように考えているのだろう?ということが気になって仕方ないのよね(笑)
- 感想投稿日 : 2014年2月15日
- 読了日 : 2012年2月9日
- 本棚登録日 : 2014年2月15日
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