拍手という花束のために

著者 :
  • (株)ロゼッタストーン (2005年5月1日発売)
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感想 : 11
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今年20周年を迎えたキャラメルボックスの観客動員数は年間15万人。そのなかで、年会費を払って応援している熱心なサポーターが2万人。小劇場出身の劇団では突出した人気を誇っています。2005年4月に実施した「全国縦断クローズド・サーキット」では、神戸の公演を全国4カ所(札幌、東京、名古屋、福岡)に生中継し、1日に3000人を動員するという、演劇界史上初の試みを成功させました。
 この本は、製作プロデューサー自らが、キャラメルボックスがなぜここまで続いたのかを分析、検証したもので、観客動員数の推移、グッズの売上金額、劇団員のお給料など、門外不出のデータも公開しています。「演劇とお金」について、ここまで当事者が語った本は見当たりません。
 また、「スターシステムを作らない」「満員にならないようにする」「役者が演劇だけで生活するための印税システム」「携帯電話を笑って切ってもらう工夫」「劇作と製作とお客さんによる渦システム」など、演劇界の常識を打ち破るキャラメルボックスのやり方は、演劇人に限らず、多くの人の発想のヒントになると思います。

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感想投稿日 : 2007年3月14日
本棚登録日 : 2007年3月14日

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