心霊探偵八雲 2

著者 :
  • 文芸社 (2005年2月1日発売)
3.70
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本棚登録 : 1382
感想 : 122
3

欲望はどこまでも、とどまることなく果てしない。
(3)前後して読んだので、ちょっと判っていたこともあってしまったかもしれない。

今回もまた、先が読める展開であったので、途中から真相の半分くらいは判っていたのだが……。
最近思うけが、もしかしてミステリー系を読み過ぎだろうか……。なんとなく新鮮味が足りなくなってきたような気がしないでもなくなってきた。
こうなってくると、人間関係の楽しさしか追及出来ない自分が、なんだか悲しくなってくる。

毎回読んで思うのだが、主人公の言動に対して「嫌み」「人を怒らせるのにかけては」という表現が度々出てくるが、それ程だろうか? と思ったりもする。むしろあれは、ただ遠慮がないだけの気がしないでもない。
刑事さんやヒロインがそう口を揃えているが、その言葉を見る度に、この人たちは余程恵まれたぬるま湯的環境で育ってきたのだな、との感想が頭を過る。片や組織にもまれる刑事で、片や幼い頃に己の過失とも言える状況で姉を殺したと自責している人間に関わらず。
あれが「嫌み」と類されるものであるのならば、世の会社員達の半分は、厭世主義者になっているのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2010年8月22日
読了日 : 2010年8月22日
本棚登録日 : 2010年8月22日

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