キョウカンカク (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2010年2月5日発売)
3.19
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本棚登録 : 280
感想 : 49
3

この動機がすごい!
この作品における連続殺人の動機は驚天動地なのに、きちんと伏線が張られているのがすごいなーと思った。
物語の世界観を含めて、綿密に練り上げられている。
銀髪の美少女探偵の秘密がじわじわと明かされていく過程にも惹きこまれる。
クライマックスで判明するタイトルの意味。かっこいい!
キメキメにスタイリッシュな感じで、深夜ドラマ系で映像化したら似合いそう。
以下、ネタバレ。





主人公の男子高校生が、やな奴すぎて感情移入できなかった(笑)
いや、犯人かも、というブラフにするための構成上必要なキャラクター造型だったのかもしれないけど。
それでいて、「こういう子いそうだな」といういやーなリアリティも感じる。
ネット弁慶ぽい、歪んだ正義感、大事なものだけが大事であとはゴミ扱いの価値観など。
クセのあるキャラクターたちが、それでもじとっとした雰囲気でもなく軽やかに描かれていたのは、作者の軽妙な語り口のゆえだったのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内ミステリ
感想投稿日 : 2011年6月14日
読了日 : 2011年6月13日
本棚登録日 : 2010年9月6日

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