ジャンルで言えば「全体主義」についての本ということで「社会」にあたるのでしょうけど自分は「思想、考え方」寄りの内容と捉えました。
前半の方はアレント入門といったテイストでしたが、4章から趣が変わりアレントの考え方を引用した著者自身の全体主義というものの考え方というか向き合い方の主張?のような内容となっているように思います。私自身はアレント自身について書かれた本は何冊か読んだことがありますがその思想についての本はほぼほぼ読んだことがなく、そこの知識がないので入門として読むのに良かったです。
しかしあんまり理解できなかった気がする。著者の方は、多分私のように興味はあってもなんの知識もない人間のために出来るだけ分かりやすくポイントを要約しつつ書かれたのだろうと思いますが(いかに噛み砕こうか、という表現の工夫は感じられました)私の頭が悪いのか知識がなさすぎるのか…もう一回読んでもきちんと理解できる自信がない。
ただ、3章を読むと、とても十九世紀の話しとは思えない今の日本の話では?と思うような不穏な内容で、今の日本の社会に警鐘を鳴らすべく今発刊されたのかなというふうに自分には感じられました。
巻末にもっとアレントの思想を深く知りたい人のための読書リストが挙げられており、そちらを読もと思われるような人には本書は物足りなく感じられるんでしょうね。
意外と読者層を選ぶ一冊かも。私は多分あんまり呼ばれる読者じゃなかったんですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学・思想
- 感想投稿日 : 2023年1月2日
- 読了日 : 2023年1月2日
- 本棚登録日 : 2023年1月2日
みんなの感想をみる