ヘンな日本美術史

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  • 祥伝社 (2012年11月1日発売)
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だいぶ以前に読んだ、日本画家山口晃の美術論。
小林秀雄賞受賞作と言うことで、昨年末の小林秀雄記念講演に際して読み返した。

改めて読んでみると、その受賞理由がわかる気がする。
「日本画は立体感がないのではなく、むしろ文化的に奥行に敏感だった」と言う辺り批評家好みというか、なるほどと思わせる。
映画監督のアンドレイ・タルコフスキーが、逆遠近法に興味を示しているのと、近く感じるものがある。

美術論に絡めて所々に自身の思想上の主張を散りばめている点が、ただならぬ画家と思うと同時に、散文に傾倒しすぎることなく、芸術に浸った画家のままであってほしいと願う。
昨年の個展も素晴らしかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年2月5日
読了日 : 2024年2月2日
本棚登録日 : 2024年2月2日

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