だいぶ以前に読んだ、日本画家山口晃の美術論。
小林秀雄賞受賞作と言うことで、昨年末の小林秀雄記念講演に際して読み返した。
改めて読んでみると、その受賞理由がわかる気がする。
「日本画は立体感がないのではなく、むしろ文化的に奥行に敏感だった」と言う辺り批評家好みというか、なるほどと思わせる。
映画監督のアンドレイ・タルコフスキーが、逆遠近法に興味を示しているのと、近く感じるものがある。
美術論に絡めて所々に自身の思想上の主張を散りばめている点が、ただならぬ画家と思うと同時に、散文に傾倒しすぎることなく、芸術に浸った画家のままであってほしいと願う。
昨年の個展も素晴らしかった。
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- 感想投稿日 : 2024年2月5日
- 読了日 : 2024年2月2日
- 本棚登録日 : 2024年2月2日
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