首都感染 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2013年11月15日発売)
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本棚登録 : 364
感想 : 45
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約10年前に書かれた、現在のウィルス感染を予言していたとされる本。
読み始まったのは、新型コロナ感染による緊急事態宣言がまだ完全には解除されていない5月中旬、読み終わったのが東京都の飲食店営業自粛などが完全に解除された6月中旬。物語は、現実社会の振り返り的な感じで読み進むことができた。
小説に出てくる強毒性の新型インフルエンザと現実社会の新型コロナウィルスは、致死率に大きな違いがあるが、感染の広がりなど現実社会で起きていることがそのまま書かれているような感じを受けた。
小説では主に東京23区を完全に封鎖し感染を拡大させない策をとったが、これが現実社会でいかに難しいか今を生きる私たちは痛感せざるを得ない。小説で行われた機動隊、自衛隊による環状線の封鎖など、やろうものならたちまち野党や個人の権利を主張する人たちの猛攻撃を食らい、とても政権を維持することなどできなくなるだろう。
物語は日本の一人勝ちで幕を閉じるが、出来すぎと思う反面、こうなったらいいなという思いも持った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2020年6月22日
読了日 : 2020年6月22日
本棚登録日 : 2020年5月18日

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