OPTION B: 逆境、レジリエンス、そして喜び

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2017年7月1日発売)
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邦訳を心待ちにしていたシェリル・サンドバーグの『OPTION B』を読んだ。
『LEAN IN』が世界中の女性を勇気付け、FacebookのCCOとして脚光を浴びていた彼女に2015年に悲劇が訪れる。
メキシコに旅行中、不慮の自己で夫・デイブ・ゴールドバーグが亡くなってしまうのだ。残された子供2人と、これからの人生をどう歩むべきか。
「逆境」「レジリエンス(回復力)」「喜び」を主題に、「オプションB(次善の選択肢)」を探っていく。
予期せぬ不幸に見舞われた人々の言葉と経験、心理学や社会学の知見と理論、なによりもシェリル自身が日々感じた想いから「オプションB」の形と可能性が明らかにされる。
僕が上記で書いてきた「不定期に訪れる倦怠感」なぞ、この本で紹介される出来事に比べれば取るに足りないものである。それでも「幸せ」や「不幸せ」は相対的なものである。得られる教訓やフレームワークは積極的に学び、生かしていきたい。
たとえば、本の冒頭で心理学者のマーティン・セリグマンの「3つのP」というフレームワークが紹介される。これは苦難からの立ち直りを阻害する三つの要因のことだ。
自責化(「Personalization:自分が悪いのだと思うこと)、普遍化(「Pervasiveness:あるできごとが人生のすべての側面に影響すると思うこと)、永続化(Permanence:あるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと)である。(『OPTION B』21頁より)
倦怠感から脱するにあたりキーワードとなるのは、「俯瞰と相対化」だろう。
全体最適ではなく個別最適に陥っていないか、点検する術として上記のフレームは参考になる。
全体最適を駆動させるには、「自己効力感」、「前に進んでいる感覚」と言い換えてもいいかもしれない。それを自分が体感できる方法で、日常に組み込んでいく必要がある。人によっては毎日必ず読書をすること、仕事には関係のないプロジェクトを進めること、ランニングをすること、ジムでワークアウトすること、なんでもいい。その多くは習慣に紐付いている。
習慣を見直す習慣を持つこと、自分の規範は自分で決めること、大きくても小さくても人に話してみること、まずはこの辺りから取り組んでみようと思います。

https://note.mu/ryh/n/nb07a0e8a4288

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理学/ID/行動学/
感想投稿日 : 2017年8月18日
読了日 : 2017年8月21日
本棚登録日 : 2017年8月15日

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